日韓両国で互いの印象などについて4年前から毎年世論調査をしている日本のNPO法人「言論NPO」と韓国のシンクタンク「東アジア研究院」が21日、両国で実施した今年の世論調査結果を発表した。慰安婦問題が一昨年末の日韓合意によっても「解決されなかった」とする答えが日本で53%、韓国で75%にのぼり、なおも隔たりが大きいことが示された。
調査は6~7月に実施し、18歳以上の約千人ずつから回答を得た。
日韓合意を「評価しない」としたのは日本側で25%、韓国側で55%。韓国側で理由を複数回答で問うと、最多は「慰安婦の意見を反映せず合意した」の77%だった。また、日本側で日韓合意への韓国人の不満をどうみるかを尋ねたところ、「理解できない。合意を結んだ以上は履行すべき」が最多の49%で、「なぜ不満があるのかわからない」の22%とあわせ約7割にのぼった。「日韓合意を知らない」が14%で続いた。
日韓関係全般で4年前と今年の調査結果を比べると、韓国側の日本に対する印象で「よい」は12%から26%に増え、「よくない」は76%から56%に減った。複数回答で「よい」の理由は「日本人は親切でまじめ」が74%、「よくない」の理由は「韓国を侵略した歴史を反省していない」が80%とそれぞれ最も多かった。一方、日本側の韓国への印象で「よい」は31%から26%に、「よくない」は37%から48%になり、好感度は下がっている。
一昨年末の日韓合意では慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的」な解決を確認。日本政府は旧軍関与の責任をふまえ元慰安婦の支援に資金を出し、韓国政府は日本大使館近くの「少女像」設置問題の解決に努力するとしたが、その後に釜山の日本総領事館前にも置かれるなど混乱が続いている。(藤田直央)