衆院本会議で、代表質問に立つ希望の党の玉木雄一郎代表=20日午後2時33分、岩下毅撮影
衆院で20日に行われた代表質問で、与野党の質問者がそろって「寛容」を強調した。自民党の岸田文雄政調会長と希望の党の玉木雄一郎代表は、穏健保守で知られる自民派閥・宏池会に言及。立憲民主党の枝野幸男代表も自身が宏池会的と位置づける言葉を引用し、安倍晋三首相の政権運営を牽制(けんせい)した。
衆院代表質問タイムライン
宏池会は「ハト派」で党内でもリベラルな立ち位置とされ、「タカ派」とされる安倍首相の出身派閥に対抗してきた経緯がある。
この日の代表質問では、宏池会(現岸田派)の会長である岸田氏が、質問の最後に派閥の創始者・池田勇人首相(在任1960~64年)に触れた。池田氏が政治姿勢として「寛容と忍耐」を掲げたと指摘。岸田氏が「野党や国民に上から目線で臨むようでは信を失う」と述べ、安倍首相への苦言とも受け取れる表現で質問を結ぶと、野党席から拍手が起きた。
玉木氏は、宏池会を率いた大平正芳首相(同78~80年)と同じ香川県出身。希望の掲げる「寛容な改革保守」と大平氏の穏健保守を並べて述べ、「『この道しかない』と決めつけ」る政治を批判した。
一方、枝野氏は代表質問で「お互いさまに支え合う社会」を目指すと主張した。宏池会に直接言及しなかったものの、枝野氏は講演などでこうした立ち位置を「宏池会的」と説明。リベラル色の強い立憲を、宏池会と重ねてみせるかのような演出をした。(山岸一生)