12日放送の「名古屋行き最終列車」に登場する大杉漣さん(メ~テレ提供)
2月に急逝した俳優の大杉漣さんは、東海地方の冬の恒例ドラマシリーズ「名古屋行き最終列車」(メ~テレ制作、月曜深夜0時20分)の常連出演者だった。12日に放送される第9話は、大杉さんが「主人公」としてこのドラマに登場する最後の回となる。
番組はその名の通り、名古屋鉄道の最終列車で交錯する人間模様を描くドラマシリーズ。2012年冬から毎冬に4、5日間集中の特別番組として放送され、第6弾の今年は初めて全10話の連続ドラマとなった。1話完結型で、各話で主人公が異なる。
大杉さんは15年から今年まで、4年連続でラーメン店の主人「今村武雄」を演じている。最新話は、石野真子さん演じる女性との恋模様が軸となる。
撮影は昨年中に終わっていた。第1弾から関わる神道俊浩プロデューサーは「今村武雄」について、「大杉さんを想定して台本が書かれた。1年目は予定が合わず、2年目になんとか調整して名古屋に来てくれた」と振り返る。
以来、大杉さんは毎冬名古屋で撮影に参加するのを「楽しみ」と言ってくれた。さらに東京の芸能関係者に「『名古屋行き最終列車』はいい。タイミングが合ったらぜひ出演してみたら」と勧めていたという。「本当に分け隔てなく誰とでもフレンドリーに接してくれて、スタッフ全員に愛されていた。本当にたくさんのことを教えていただいた」と悼んだ。
12日は本放送に先立って午後2時から、過去の出演作を一挙再放送する。放送後は民放公式サイト「ティーバー」でも視聴できる。(原知恵子)