1981年1月、ラグビーの全国高校選手権で初優勝した伏見工高の山口良治監督(中央、当時)と、主将の平尾誠二さん(右)。このときの奇跡が、「スクールウォーズ」のモデルになった
ラグビーの世界最高峰リーグ「スーパーラグビー」の国内開幕戦(2月24日・東京・秩父宮ラグビー場)でいったん上映を見送られたドラマ「スクールウォーズ」が、3日の国内第2戦で放送された。一時中止になった背景には、俳優の山下真司さん演じる主人公の教師がラグビー部の生徒を殴る有名なシーンを巡って見解の相違があった。
ラグビー場入り口で名場面集を流す予定だった
「スクールウォーズ」の上映は、日本のサンウルブズを運営する「ジャパンエスアール」(JSR)が企画。ファンサービスの一環として、ラグビー場入り口正面に設けた大型ビジョンにドラマの名場面集などを流す予定だった。しかし、開幕戦当日に「諸事情により上映を見送る」と公式ホームページで発表した。
「スクールウォーズ」は、弱小校が日本代表だった教師の存在をきっかけに高校日本一に上り詰めた京都・伏見工高(現・京都工学院高)をモデルにしたドラマ。1980年代に大ヒットし、ラグビー人気を高めた。強豪校に大敗した後に雪辱を誓う生徒たちを、熱血教師が涙ながらに殴る場面はドラマのハイライトだった。
協会幹部の懸念から、開幕戦は上映中止に
しかし、このシーンが見送りの一因となった。
日本ラグビー協会の藪木宏之広報部長によると、「暴力撲滅を目指す今のスポーツ界において、教育者が生徒を殴るシーンを正しい姿とは思ってほしくない」との懸念から、協会幹部が「上映は少し考えた方がいいのでは」とJSR幹部に伝えたという。日本協会は13年、暴力指導などを禁じる通知を傘下団体に通知していた。
こうした指摘を受け、JSRは開幕戦での放送を見送った。経緯は関係者のSNSなどで発信されファンに拡散。その後、話し合いが重ねられ、第2戦での上映が決まった。
3日に秩父宮で行われたサンウ…