中国広播電視網絡有限公司の曽慶軍副社長は3日に参加したフォーラムで、「ラジオ・テレビ業界と通信インフラ企業3社が5Gの差異化した発展を実現するための技術的突破口は(新しい無線通信方式の)5GNRによる放送事業だ。将来的にはプロバイダー3社の5G端末でテレビ番組を無料で受信できるようになる」と述べた。中国新聞社が伝えた。
同日に行われた通信伝媒・通信世界全媒体が主催した700メガヘルツ(MHz)技術・産業応用シンポジウムに参加した曽氏は、「5GNRによる放送事業はトランスポート層の既存のシステムを変えずに、5Gの既存のNRチャンネルを利用して5Gの展開を行うことが可能で、あらゆる5G端末でデジタルテレビ放送を無料で視聴できるようになり、通信量やネットワーク混雑の問題がなくなる」と述べた。
2019年6月6日、同公司は5Gの営業許可証を取得し、700MHz帯で5Gのネットワークと業務を発展させてきた。
曽氏は、「華為(ファーウェイ)はすでに5GNRによる放送事業のテストに成功している。具体的には、ラジオ・テレビ送信所とモバイル基地局を通じ、5Gの制御・チャンネル方式と5Gマルチキャスト・ユニキャストのモジュールを利用して、デジタルテレビ放送を行うことだ」と説明した。
曽氏は、「近い目標は2022年冬季五輪で、すべての5G端末が高精度の冬季五輪番組を受信できるようにすること、モバイルデータ量を使用しないですむようにすることを目指す。同時にプロバイダー、設備メーカーなどがチップ、標準、設備製造、端末製造、プラットフォーム運営など産業チェーンの各部分には、5GNRによる放送事業の発展を支援してほしい」とした。
今年9月に発表された報告書「5G放送の中国の戦略及び将来の見通し」によると、5G放送網を使用すればユーザーのデータ通信コストを大幅に引き下げ、ビジュアル体験を改善し、公共サービスを充実させることができる。5G放送網を建設すれば5Gネットワークの建設コストとエネルギーコストを引き下げることができる。5G放送事業はラジオ・テレビ業界と通信プロバイダーとが差異化した発展を実現するためのキラーアプリケーションになることが期待されるという。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年12月4日