東日本大震災の津波で全壊し、当時の町長ら職員39人が犠牲になった岩手県大槌町の旧役場庁舎が来年度に解体される見通しとなった。15日の町議会で解体のための予算案が可決された。保存を求める住民団体は解体を防ぐため住民監査請求を検討している。
解体予算案4700万円は15日の町議会に新年度補正予算案として提出され、賛成6、反対6の同数となり、議長裁決で可決された。
同町は震災で人口の約1割にあたる1286人が死亡・行方不明になった。町は地震直後、旧庁舎前に災害対策本部を設けたが津波に襲われ、当時の町長ら39人が死亡・行方不明となった。
前町長の碇川豊氏は2013年、旧庁舎の一部保存を決めたが、現町長の平野公三氏は15年の町長選で碇川氏を破り、解体する方針に転換した。
旧庁舎を震災遺構として保存す…