校内で見送りを受ける卒業生たち=21日午後、神奈川県横須賀市、川村直子撮影
普通科高校同等の教育とともに自衛隊の訓練を15歳から受けられる唯一の学校、陸上自衛隊高等工科学校の卒業式が神奈川県横須賀市で21日にあり、3年間学んだ18、19歳の生徒303人が巣立った。
卒業生の9割はまず各方面隊へ配属され、約1年間の教育訓練を経て3等陸曹になる予定だ。
式典には小野寺五典防衛相や自民党の二階俊博幹事長も出席。小野寺防衛相は「安全保障環境は戦後最も厳しいといっても過言ではない。学んだ知識や技能を生かし更に習得を続けて最先端で活躍できる人材になってほしい」と訓示した。
今年の卒業生たちの在学中、自衛隊を取り巻く状況は変わっていった。入学後に安全保障関連法が成立、施行され、現在は憲法改正の議論が熱を帯びている。
国を守るため装備開発に携わりたい、という夢を持ち防衛大へ進学する宮口駿之助さん(18)は「憲法改正が良いのかどうか、正直分からない。ただ、自衛隊の重要性について知り、国民みんなで考える機会になってほしい」と話した。(川村直子)