前市長がセクハラ問題で辞職した東京都狛江市の市長選が22日投開票され、元副市長の松原俊雄氏(66)=自民、公明推薦=が初当選を果たした。セクハラ問題を追及してきた共産党などが推薦した候補との無所属新顔同士の一騎打ちを約5千票差で制した。
松原氏は同市役所に入り、市企画財政部長などを歴任。2008~12年には、共産党員の矢野裕市長(当時)のもとで副市長を務めた。セクハラ問題で辞職した高橋都彦(くにひこ)・前市長を支えた自民、公明両党から推薦を受ける「逆風」(松原氏)で、立候補表明も遅れた。だが、豊富な行政経験から市役所内部の混乱の収束や防災対策などへの期待を集め、投票数の6割近くを得票した。
元市副議長の田中智子氏(60)=共産、社民など推薦=は投票率が前回より下がり、無党派層を取り込めなかったのが響いた。(河井健)