西日本豪雨で大規模に浸水した岡山県倉敷市真備(まび)町で、同市は被害地域の約2100棟を一括して「全壊」と判定した。被災者が公的支援を受けるために必要な罹災(りさい)証明書を早く発行するのが目的。津波により面的な被害が広がった2011年の東日本大震災を受けて導入された仕組みを使った。
被災地のために今できること…西日本豪雨支援通信
西日本豪雨、列島各地の被害状況は
真備町では、町内を東西に流れる1級河川の小田川や支流が決壊。4千棟以上の浸水被害が発生した。
市は洪水ハザードマップの想定を踏まえ、「全壊」と認定される床上1・8メートル以上の浸水が確実と認めた区域について、区域の端にある複数の家屋をサンプル調査。今月17日に域内の約2100棟を一括して全壊と判定した。
これにより、区域内の被災者は家屋調査なしで罹災証明書が発行される。市は同時に、17日以降最大約100人態勢で現地調査も進めている。区域外の家屋は個別に調査して判定しており、市によるとそれらの家屋の調査はほぼ完了したという。
一括判定は、東日本大震災後の13年に改定された被害認定基準の運用指針に盛り込まれた。津波や堤防決壊などで、ある区域内の住宅が浸水したことが一見して明らかな場合、四隅の住宅をサンプル調査し、区域内の全住宅を全壊と判定することができる。(小沢邦男)