もうすぐ、お盆。線香が最も売れる時期だが、少子化が進む近年は墓参りの慣習が薄れ、販売は先細りする傾向だという。そんななか、全国有数の産地を持つ関西のお香メーカーは、土産やインテリア品としての商品を次々に投入し、仏具用のイメージを変えつつある。
線香の発祥地とされる堺市。老舗メーカーの梅栄堂(ばいえいどう)は、外国人観光客向けに「大阪城のお香」を4月に売り出した。豊臣秀吉が大坂城につくったとされる「黄金の茶室」にちなみ、茶の香りを楽しめるようにした。1箱(30グラム入り)が1200円と、従来品の2倍ほどする。商品を取り扱う城内の売店や関西空港の免税店では、販売量が毎月順調に伸びているという。
23日には、10万円の「超高級お香立てセット」を限定発売。南部鉄器に金箔(きんぱく)を貼ってきらびやかにしたお香立てがつく。営業担当の中田宗克(ときよし)さんは「外国人は日本文化への関心が強く、高くても買ってもらえる。新規開拓の流れに火をつけたい」と意気込む。同社の売上高の8割以上を占める仏具用は「100円ショップ」などの安い線香に押され気味なため、新分野にも挑む。
経済産業省の工業統計調査によ…