9月の自民党総裁選でカギを握るのが、自民党員らによる地方票の動向だ。今回から地方票の重みが増すため、安倍晋三首相や石破茂・元幹事長は各地をまわり、票の掘り起こしを目指す。地方票の風はどこに吹いているのか、世論調査のデータから探った。
朝日新聞社が7月14、15両日に実施した全国世論調査(電話)で、次の自民党総裁に誰がふさわしいか、安倍晋三首相、石破茂・元幹事長、岸田文雄・政調会長、野田聖子・総務相の4氏を挙げて聞いた。総裁選で投票する自民党員らと自民支持層は必ずしも一致しないものの、自民支持層で見ると、最多は安倍首相で54%。2位の石破氏19%を引き離した。
2012年の総裁選では、石破氏が地方票で安倍首相を上回ったものの、決選投票で国会議員票を集めた安倍首相が逆転。このときの同様の調査では、自民支持層で石破氏が27%と安倍首相の18%を上回っており、この6年間で安倍首相が逆転した形だ。
近年の総裁選では、現職に有利な傾向が続いている。1999年に再選した小渕恵三首相(当時)は、事前の世論調査で自民支持層の7割を固めていた。2003年に再選した小泉純一郎首相(当時)も世論調査で自民支持層の8割、無党派層の5割を占め、他の候補を引き離した。
その一方で、調査結果を分析すると、安倍首相の支持が盤石とは言えず、不安材料があることも読み取れる。
一つは無党派層への浸透ぶりだ…