茨城大農学部2年だった女性(当時21)を2004年に殺害したとして、殺人と強姦(ごうかん)致死の罪に問われたフィリピン国籍の元工員ランパノ・ジェリコ・モリ被告(36)=岐阜県瑞穂市=の裁判員裁判の判決が25日、水戸地裁であった。小笠原義泰裁判長は「被害者の人格を踏みにじる卑劣な犯行。被害者の屈辱や恐怖、苦しみは筆舌に尽くしがたい」などと述べ、求刑通り無期懲役を言い渡した。
茨城大生殺害、公判始まるが…共謀容疑者2人は今も国外
判決によると、ランパノ被告は少年だったフィリピン国籍の男2人と共謀して04年1月31日、茨城県阿見町付近の路上で通行中の女性を車に連れ込んで強姦。首を絞めたうえ、刃物で首を切りつけたり、胸部を突き刺したりして殺害した。
弁護側は「被告ら3人が影響し合って犯行がエスカレートした」などと主張して有期刑を求めたが、判決は被告らが被害者の口封じのため、殺害を事前に話しあっていたことや、被告が他の2人の「兄貴分」で、殺害にも主体的に関与したと指摘。起訴内容を認めて反省の言葉を述べていることを踏まえても「有期刑を選択すべきような事情はない」と結論づけた。
ランパノ被告は昨年、事件発生から13年を経て逮捕された。茨城県警は共謀したとされる男2人も国際手配しているが、身柄拘束の見通しはたっていない。(益田暢子)