広島県は25日、西日本豪雨による災害廃棄物が約200万トンに上るとする推計を発表した。2014年の広島土砂災害の総量の約4倍にあたる。県は、約1年半後の来年末までの処理完了をめざすが、長期化する恐れもある。
県の推計によると、住宅のある市街地で生じた廃棄物の総量は、県内全23市町で196万トン。内訳は、廃棄物が交じった土砂が約184万トン、家財や建物の破片は約11万トン、流木が約2万トンあった。土砂災害などで住宅に大きな被害が出た広島、呉、東広島の3市と坂町を足すと、全体の76%を占めた。処理費用は430億円を見込んでいる。
14年の広島土砂災害は廃棄物が約53万トン発生し、処理に約1年半を費やした。また、16年の熊本地震では約300万トンの廃棄物が出て、処理に約2年かかっている。県は今後、仮置き場で廃棄物の保管や分別を実施し、順次処分する方針。
湯崎英彦知事は記者団の取材に「(災害廃棄物は)各地に積み上がっている状況。早急に処理していく。今回の災害は範囲が広く、損害家屋も多いので量も多い」と語った。(吉川喬)