世界で売るすべての日本車を2050年までに電気自動車(EV)などの電動車にする目標を政府が打ち出した。世界の主要市場でEVシフトが加速し、ハイブリッド車(HV)でエコカー競争をリードしてきた日系メーカーには逆風が吹き付けている。自動車産業をとりまく環境が激変するなか、日本勢の競争力維持に政府目標が寄与するかどうかはまだ見通せない。
世界で売る日本車、2050年に電動車だけに 政府目標
「世界的にも大変インパクトの大きいメッセージになる。日本だからこそ掲げられるゴールだ」。24日の会議で世耕弘成経産相は「100%電動化」の政府目標に胸を張った。
トヨタ自動車が1997年に世界初の量産HV「プリウス」を発売して以降、日系メーカーは世界で環境性能を売りに販売を伸ばしてきた。だが、最近は中国や米国などの主要市場でEVの普及を促す取り組みが活発化。日本勢は対応に追われている。
とくに世界最大の自動車市場になった中国の動きは活発だ。エンジンの技術が必要なHVでなく、エンジン車より部品点数の少ないEVの開発に国を挙げて注力。英調査会社によると、2017年のEVとプラグインハイブリッド車(PHV)の生産シェアは44%。日本(15%)や米国(13%)を大きく引き離す。
19年には自動車メーカーが生…