官民ファンドの乱立を招いたのは、成長戦略という大義名分のもと、各省が「第2の財布」と期待して安易に設立に走ったからだ。だが、目立った成果もないまま運営費がかさみ、無駄遣いの温床になりかねない状態に陥っている。
官民14ファンドの再編検討 損失・非効率の指摘受け
【アーカイブ】「官マネー」ベンチャー流入 省庁ごとにファンド乱立
会計検査院から10億円の含み損を指摘された農林水産省所管の官民ファンド「農林漁業成長産業化支援機構」(A―FIVE)は2013年、食品加工や販売を自ら手がける農家らを支援する目的で設立された。
政府は300億円を出資したが、18年3月までの投資額はその約3割の98億円。役職員約50人を抱え、17年3月までに人件費などの運営経費は40億円を超える。似た目的の補助金があり、そもそもファンドの必要性が疑問視されていた。
投資の失敗も後を絶たない。「…