三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキットで29日、オートバイの鈴鹿8時間耐久ロードレースの決勝があり、鈴鹿市に拠点を置くチーム「TSR(テクニカルスポーツレーシング)」が、FIM世界耐久選手権シリーズでの年間総合優勝を決めた。日本のチームが同シリーズで世界王者になるのは初めて。
三重)台風影響のなか地元TSRなど躍動、鈴鹿8耐
鈴鹿8耐は、同シリーズ全5戦の最終戦。TSRはシリーズ参戦3季目で悲願を達成した。チームを率いる藤井正和監督は「日本が世界一になったんだ。やったね。うれしいね。チームの仲間がいてこそ取れた。ありがとう」などと喜びを爆発させた。
TSRは今回、「FCC・TSR・ホンダフランス」として参戦。12番手でスタートし、5位でゴールイン。総合優勝を競う「GMT94ヤマハ」(仏)が6位で、これまでの点差もあり、TSRがシリーズを制した。
1978年に始まった鈴鹿8耐は、藤井監督の父の故璋美(てるよし)さんが立ち上げにかかわった。藤井監督は過去3度、レースで優勝を飾るなどした。それだけに鈴鹿8耐にかける思いは人一倍強い。今回は総合優勝へのポイントを第一に考えるレースを心がけた。
TSRは今季、4月にあったシリーズ第2戦、ルマン24時間耐久(仏)と6月の第4戦オッシャースレーベン8時間耐久(独)の二つで日本チーム初の優勝を果たすなど、暫定1位のポイントで鈴鹿に臨んだ。3人の外国人ライダーも早くから鈴鹿に入って日本の夏の暑さに備えるなど、日本チームに溶け込んで戦いに備えた。(中根勉)