「文化部のインターハイ」と呼ばれる全国高校総合文化祭(文化庁、公益社団法人全国高等学校文化連盟など主催、朝日新聞社など特別後援)が7日、長野県で開幕した。総合開会式とパレードが松本市で開かれ、11日まで5日間にわたる総文祭の開幕を祝った。
【特集】信州総文祭
総合開会式では、生徒実行委員会委員長の桐山尚子さん(伊那北高校3年)が高らかに呼びかけた。
「私たちにしかつくれないハーモニーをつくりましょう。お互いをたたえ合い、ここ信州を舞台に思いっきり輝いて下さい」
続いて、総勢844人の生徒が出演する演劇。病気で吹奏楽部を退部した設定の女子生徒が主人公で、友人に誘われて入った総文祭の実行委で舞台監督を任される。再起をはかる姿を通して、仲間の大切さ、何かに打ち込む尊さを描いた。
約1時間半の舞台に、ダンスや太鼓、吹奏楽、合唱など総文祭の要素をふんだんに盛り込んだ。韓国、アメリカ、オーストリア、中国から招いた生徒たちが合間に登場して音楽や踊りを披露し、盛り上げた。
フィナーレでは、出演した生徒たちが舞台上に集まり、元生徒が作詞した大会のイメージ曲「ここに」を歌い、踊った。客席を埋めた1248人の観客から大きな歓声が上がった。
主役を務めた南安曇農業高校の西沢向日葵(ひまり)さん(2年)は終演後、「頭が真っ白になるほど緊張したが、みんなが励ましてくれて、演じきれた」。
式の後は、全国各地のマーチングバンドやバトンチームの高校生らが松本城の周辺をパレード。沿道に集まった市民らから歓迎を受けた。パレードの司会を務めた長野吉田高校の小池剛さん(2年)は「47年に1度回ってくる大会でこんな大役を務められて感激しています」と話した。
総文祭は、県内17市町で28部門が開催される。(森本未紀、関根光夫)