私鉄のシンボルとも言える電車の色が、大きく変わっている。イメージの変更だったり、路線ごとの差別化だったり、理由はさまざま。一方で「伝統色」にこだわり続ける会社もある。
「阪神電車の特急の色がプロ野球の巨人を連想させる」。阪急阪神ホールディングスが今夏開いた株主総会で、出席した株主から、そんな苦情が出た。経営側は大まじめに答えた。「数年後に新しい車両をつくる際には、今回の意見を参考にしながら考えたい」
「巨人のよう」と批判されたのは、1000系や9000系に使われているオレンジ色だ。車両の入れ替えや塗り替えが進み、「赤胴車」と呼ばれる渋い朱色の帯の特急や急行は、2015年に本線から姿を消した。
「特急と急行は赤系、各駅停車…