夏休みの宿題は、さっさと片付ける派ですか。それとも最後に追い込む派? 岡山大、広島大、佐賀大が小学生を調べた共同研究で「さっさと片付ける」計画は破綻(はたん)しやすく、「最後に追い込む」子は、休み明けにストレスが高まることが分かった。
岡山大の岡崎善弘講師(発達心理学)らは、岡山県と佐賀県の公立小3校の4~6年生526人を対象に調査した。回答が有効だった460人分のデータを解析した。
調査は、夏休み開始1週間前に「宿題の計画」を尋ね、夏休み明けに「実際の宿題行動」とストレスを調べる、という形で夏休み前後に計2回、質問用紙を配り、保護者の同意の下、回答を求めた。
その結果、宿題の計画は①毎日こつこつする「継続型」(61%)②すぐに終わらせる「前半集中型」(34%)③休み終わりごろにまとめてする「後半集中型」(2%)④「無計画」(3%)――に分かれた。
一方で、実際の進め方では、継続型が68%を占め、前半集中型は14%にとどまった。計画では少なかった後半集中型は約5倍の11%、無計画は約2倍の7%と、大幅に増えた。
計画と実際の一致・不一致状況を見ると「前半に集中する」と考えていた子の7割が計画倒れに終わり、「毎日こつこつする」つもりだった子は、8割が計画通りにできていた。
また、後半に集中した子と無計画に進めた子は、ほかの二つの進め方より、休み明けのストレスが高まりやすいことが分かった。期日までにできるかどうか不安になることに加え、計画の破綻も子のストレスを高める要因になるという。
岡崎さんは「時間管理は大人でも難しい。親が宿題の進行状況を把握し、計画が破綻しそうなときは、計画を立て直す支援が大切」と話す。計画通りに進んでいなくても、しかるのではなく、計画通りにできている部分をまずほめて、残り期間でどう進めるか、立て直し計画を一緒に考えるといいという。(中村通子)