12日まで米ラスベガスで開かれた世界最大のハッカーの祭典「デフコン」で、子どもハッカーたちが各州の選挙管理委員会の再現サイトへの侵入の腕前を競うイベントが開かれた。2016年の大統領選でロシアがハッキングを試みたことから、11月の中間選挙を前に政府や自治体を啓発する目的だ。
「選挙ハッキング」と看板が掲げられた一画。コロラド州デンバーの高校生セリー・ブロケットさん(16)はパソコンを前に、大統領選の得票結果を示すウィスコンシン州の選管サイトを模した画面と向き合っていた。140万票を獲得した共和党のトランプ氏が138万票の民主党のクリントン氏を接戦で制した州だ。
ブロケットさんが、配られたヒントを参考にサイトに文字列を入力したり、一見関係のない画面を開いたりする作業を繰り返すと、15分後、サイトはクリントン氏が大幅に得票を伸ばす結果に書き換えられた。「データベースをいじったのよ。簡単だった」。データベースの弱点を利用した「SQLインジェクション」と呼ばれる攻撃をしたという。
イベントは大学の研究者やサイバーセキュリティーの専門家らが主催。大統領選で勝敗のカギとなった13州の選管サイトを再現しつつ、幾つかの弱点を埋め込んだ。参加者は主に16歳以下。6歳の子も何らかのデータ操作ができたという。
主催者の一人、ジェイク・ブラ…