第100回全国高校野球選手権記念大会(日本高校野球連盟、朝日新聞社主催)8強の浦和学院は第14日の18日、準々決勝の第一試合で大阪桐蔭(北大阪)と対戦。今春の選抜王者だが、浦学もここ数年で新たな指導者を迎えて進化。選手の自信も十分だ。
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「次、7番。甘くなってもいいから強く攻めろ!」。17日、投球練習で相手打者に扮し、声を張り上げるのは、森士(おさむ)監督の息子で2016年に就任した森大(だい)コーチ(27)。部OBで、2008年夏の甲子園にも出場した。ピッチングコーチとして、7人の投手陣をまとめ上げている。
監督を補佐するため、この1年は先頭に立ち、データ分析や試合前の選手のコンディション調整などの役割を明確化。選手に加えOBらの協力も得て、組織づくりを進めた。自らは相手打線の研究を担う。
初戦で140キロ近い直球を2球投げ、1死を奪った美又王寿(みまたおうじゅ)投手(1年)は「コーチに配球の仕方を教わり、いい感覚で投げられた。大阪桐蔭戦でも、直球に変化球を加えて三振を奪いたい」と意気込む。
コンディション調整は、昨秋に数年ぶりに浦学のトレーナーに復帰した稲村忠明さん(54)が担う。チームに同行して甲子園入りし、トレーニングやストレッチを指導する。
4番の上野暖人(はると)選手(3年)は、人によって違う体の部位の使い方をパフォーマンスに生かす理論や、打席での呼吸法を稲村さんに教わった。甲子園入り後は、それらを踏まえフォームを調整。甲子園の2試合9打席を終え、1安打だが「打ちたい気持ちが出すぎて力んだ。南埼玉大会よりも調子は断然いい」と言い切る。大阪府出身で、大阪桐蔭には知り合いもいる。3月に練習試合し、上野君の本塁打などで勝利したという。「人一倍強い思いで、今度こそ練習の成果を出す」と気合が入る。(山口啓太)