高知市の岡﨑誠也市長が20日記者会見し、7月上旬の西日本豪雨のさなかに市災害対策本部の本部員会議を欠席して北海道へ競馬観戦などの旅行に出ていた弘瀬優総務部長を減給10分の2(1カ月)の懲戒処分としたうえで更迭し、市上下水道局理事へ異動させると発表した。同行者で同じく本部員会議を欠席した横田寿生教育長は7月31日付で辞任している。
市によると、西日本豪雨を受けて7月4日に災害対策本部を設置。市長や副市長、部長、教育長ら幹部職員で構成し当面の対応方針を決める本部員会議を5~7日に計5回開いた。しかし横田教育長と弘瀬総務部長、諸石信広総務部副部長ら職員7人は7~9日、北海道函館市で競馬観戦などをした。横田教育長と弘瀬総務部長は欠席した7日の本部員会議に部下を代理で出席させていた。
岡﨑市長は、「幹部職員の自覚に欠けた行動について市民の皆様に不安と混乱を与え、改めて深くおわびする」と謝罪した。市長によると、弘瀬総務部長は「大変申し訳なかった」と話しているという。
岡﨑市長は、一行の残る5人のうち諸石副部長ら4人を訓告、1人を口頭厳重注意の処分とすることも発表した。また任命責任や管理監督責任を問うことを理由に、自身と吉岡章副市長の給与を減額する条例案を市議会9月定例会に提出する方針を示した。
岡﨑市長はさらに、幹部職員が本部員会議を欠席する際の手続きを見直す考えを示した。現在は口頭での伝達にとどまっているが、今後は文書で届け出をさせるという。後任の総務部長には同部政策担当理事・市長公室長事務取扱の大野正貴氏が就任する。諸石副部長は総務部参事・行政改革推進課長事務取扱に異動する。いずれも処分が20日付、異動は21日付。(菅沢百恵)