米与党・共和党の重鎮で、2008年大統領選で共和党候補としてオバマ前大統領と戦ったジョン・マケイン上院議員が25日、死去した。81歳だった。17年7月に脳腫瘍(しゅよう)と診断され、今月24日に家族が治療の打ち切りを明らかにしていた。党内で「良識派の穏健保守」として、トランプ大統領にも物が言える最後の大物議員でもあった。
米共和党重鎮ジョン・マケイン氏が死去 大統領選に出馬
軍人一家に育ったマケイン氏は海軍のパイロットとしてベトナム戦争に従軍。1967年には自身が乗った攻撃機が撃墜され、5年余りも捕虜になった経験を持ち、「ベトナム戦争の英雄」となった。
82年、連邦下院選にアリゾナ州から立候補し、初当選。86年に上院選に当選し、現在6期目だった。軍事委員会を中心に活動、外交・安全保障の専門家としての地位を築いてきた。日本との関係では、マケイン氏は一貫して日米同盟を重視する姿勢をとった。今年春には日米関係の友好や発展に寄与した功績が評価され、旭日大綬章を受けた。
00年大統領選では、ブッシュ元大統領(子)と共和党の指名を争い、一時はリードするなど「マケイン旋風」を起こしたが、撤退。08年には共和党候補になったが、オバマ氏に敗れた。
トランプ政権では、共和党の重鎮として、トランプ氏への批判を恐れない数少ない存在だった。トランプ氏がコミー前連邦捜査局(FBI)長官を解任した際は「大統領の決定には失望した」と批判した。また、トランプ氏が重要視した「医療保険制度改革(オバマケア)」の撤廃法案についても、闘病中だったマケイン氏は議会に姿を見せ、「私たちは大統領の部下ではない。対等だ」と演説。反対票を投じ、法案は僅差(きんさ)で否決された。
共和党内で表立ってトランプ氏…