廃炉が決まった高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)で30日、炉内外にある核燃料を取り出す作業が始まった。準備段階で機器のトラブルが相次ぎ、当初の7月開始予定から1カ月遅れで、30年に及ぶ本格的な廃炉作業に入った。
作業開始前、運営主体の日本原子力研究開発機構の児玉敏雄理事長が職員らに訓示し、「安全、着実に進めることが信頼につながることを常に意識し、気を引き締めて取り組んでほしい」と呼びかけた。
作業は午前10時半に始まった。原子力規制委員会が認可した廃炉計画では、2022年度までに原子炉と貯蔵槽で冷却材のナトリウムに漬かっている計530体の核燃料を洗浄し、水の入ったプールに移す。取り出した燃料の処分方法は決まっていない。全ての廃炉作業が完了するのは47年度末になる予定だ。(八百板一平)