長年、福岡の夏の風物詩として親しまれてきた大濠(おおほり)公園の花火大会が来年から開かれないことになり、驚きが広がった。
福岡の大濠花火大会、今夏限りで終了 「実施難しい」
「とてもショックで残念です」。花火がよく見える「アゴーラ福岡山の上ホテル&スパ」(福岡市中央区)の総支配人・西野貴志さん(43)は、従業員からのメールと朝刊で、花火大会の終了を知ったという。
大濠公園から約2キロの丘の上にあるホテルでは、花火大会の当日に食事もできる観覧席を屋外に用意。約400人が高所から花火を楽しみ、従業員も働きながら一緒に見ていた。花火が見える4部屋も人気だという。「1年で一番ホテルにお客さんが集まる日なので経済的な損失もある。地元の人に愛されていた花火がなくなるのは寂しい」
福岡市の男子大学生(22)は「福岡を代表する大きな花火大会。なくなると聞いてびっくりした」と話す。高校生の頃は当時付き合っていた彼女と、大学1年の時には友達と人混みのなかで花火を楽しんだ。「花火が近くて、雨のように降り注いでくるようだった。残念です」。福岡市の高島宗一郎市長は「福岡が誇る名物行事が終わるのは残念。年々訪れる人が増える一方で、警備の難しさもあったと思うし、マナーなどで課題もあったと聞く」と話した。
花火大会は1949年に戦没者…