3連休初日の15日、地震に見舞われた北海道の被災地にはボランティアが続々と駆けつけた。厚真(あつま)町ではこの日、最高気温が25・7度と夏日を記録。夏のような日差しのもと、家財道具の片付けや、避難所の手伝いなどに汗を流した。
世界的建築家もボランティア参加 避難所に間仕切り設置
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北海道で震度7、道内の被害状況は
41棟の民家が被害を受けたむかわ町。会社員の箕輪克美さん(52)は5日間の休暇を取り、茨城県からやって来た。町内のお寺で、仏壇・仏具が散乱した納骨堂の整理を4時間にわたり手伝った。「わずかですが、被災した方のお力になれたと思っています」。額をタオルで拭った。
同町では、13日から本格的にボランティアの受け入れを開始。社会福祉協議会のスタッフらが避難所を回ったところ、家具の移動や自宅内の掃除、災害ゴミの運送などの要望が約400件寄せられたという。
だがボランティア需要の濃淡は、被害のあり方によっても異なる。36人が亡くなった厚真町。同町社協によると、震災直後は故人の家財道具の処分をためらう傾向が強かったが、ここ数日になって、ボランティアの手を借りて生活再建に取りかかろうとする動きが出始めているという。
安平(あびら)町では、被災者に町の広報誌を配る姿が見られた。北海道大学3年の金井直樹さん(28)は、SNSなどの呼びかけに応じた高校生や大学生計35人とボランティア登録した。金井さんは「まだまだ困っている人はいると思う。可能な限り続けていきたい」と話した。
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北海道災害ボランティアセンターによると、ボランティアを受け付けているのは厚真、安平、むかわの3町。参加する際は、どれだけの人手が、どんな分野で必要とされているかを事前に確認することも大切だ。
厚真町と安平町は事前申請が必要。厚真町は道内在住が条件で18日まで定員に達している。安平町では予定していた広報誌の配布が終わり、16日のボランティア参加者の一部には辞退をお願いした。
全国の災害支援にかかわる一般社団法人「ウェルビー・デザイン」(札幌市)の篠原辰二理事長は「人があふれることで被災者の生活に支障が出ないように、地元の社会福祉協議会が『防波堤』として、ボランティアを断る例も増えている」と指摘。「被災地の特産品購入や寄付など、支援の方法もいろいろある」と話した。(三浦英之、斎藤茂洋、滝口信之)