自民党総裁選の演説会で和歌山市を14日に訪れた安倍晋三首相らを警護中の20代男性巡査が、実弾入りの拳銃を走行中の車両から落としていたことがわかった。路上で見つけた住民が約1時間20分後に届け出たという。和歌山県警が15日に発表した。
県警によると、巡査は機動隊所属で、安倍首相らの車列の警護のため、最後尾の車両の助手席に私服で乗っていた。14日午後7時50分ごろ、同市橋向丁の交差点付近で、一般車両を停止させようと助手席の窓から身を乗り出した際、左脇につけていた拳銃を収めたケースの留め具が窓枠に引っかかって外れ、拳銃が路上に落下した。
気づいた巡査が同乗の警察官と車を降りて捜索したが発見できず、その後、県警が約50人態勢で捜したが見つからなかった。散歩中の男性が歩道上にある拳銃を発見し、午後9時10分ごろに付近を捜索中の警察官に届け出た。男性は「午後8時ごろに拾って一度家に戻ってから届けた」と説明したという。拳銃や実弾に異常は無かった。
県警は、拳銃の携帯方法については不適切な点はなかったとしている。県警警備課の的場克郎課長は「このような事態を招いたことは、大変遺憾。今後、二度とこのような事案が発生しないよう再発防止に努める」とコメントした。