日本記者クラブが主催した14日の自民党総裁選候補者討論会で、安倍晋三首相と石破茂・元幹事長が、政治姿勢や憲法、経済政策などをめぐって応酬した。首相は、森友・加計学園問題で防戦に追われ、この問題がいまも政権のアキレス腱(けん)であることを印象づけた。
特集:自民党総裁選2018
仕掛けたのは石破氏だ。双方がテーマを選ぶ討論の第1部で、まず「民主主義のあり方」を取り上げ、「民主主義が機能するには不都合な情報も参加者に伝える。きちんとした数字を包み隠すことなく説明し、国民に誠実に説明することが大切だ」と指摘した。
森友・加計学園問題などには直接言及しなかったが、安倍政権下で噴出した一連の問題を想起させる発言に、首相も「おっしゃる通り。批判に真摯(しんし)に答えていく義務を負っている」と応じざるを得なかった。
さらに日本記者クラブの企画委員が質問する第2部では、首相や妻の昭恵氏の関与が指摘された森友・加計問題に質問が集中する。
「最大の問題は、(内閣)不支持の一番の大きな理由が、『総理大臣が信頼できない』ということだ。一体なぜこういうことになっているのか」。読売新聞の橋本五郎・特別編集委員の問いに、首相の表情がこわばった。首相は「妻や友人が関わってきたことで、国民が疑念をもつのは当然なんだろう。今後は慎重に、謙虚に丁寧に政権運営にあたって参りたい」と答えたものの、その後も同問題に対する首相への質問が続くといらだちを見せる。
森友問題をめぐる過去の首相答…