自民党の杉田水脈(みお)衆院議員が同性カップルを念頭に「生産性がない」と主張する寄稿を掲載した新潮社の月刊誌「新潮45」が、18日発売の10月号で「そんなにおかしいか『杉田水脈』論文」とする企画を掲載したところ、同社のツイッターの公式アカウントの一つが同誌に批判的な投稿を次々とリツイート(転載)している。「新潮45」への社内からの異議申し立てに、作家らから賛同の声が上がった。
アカウントは「新潮社出版部文芸」。新潮社によると、文芸の編集者を中心に複数の社員で共有しており、新刊の宣伝などをつぶやいている。18日深夜から「どうして低劣な差別に加担するのか」「ヘイト論文掲載について開き直り正当化」「新潮社の本はもう買わない」といった批判的なつぶやきを次々とリツイートした。いったん消去されたが19日朝に再開。「良心に背く出版は、殺されてもせぬ事」という創業者・佐藤義亮の言葉も投稿した。この投稿は9時間後の19日午後8時現在、2万4千件を超える転載や引用によって拡散し、朝日新聞のソーシャルメディア分析システムの推計で、2600万を超える利用者に届いたとみられることがわかった。
杉田水脈氏への批判は「見当外れ」 新潮45が掲載へ
新潮社は19日、リツイートについての朝日新聞の取材に、「社内でも様々な意見が存在していますが、弊社では言論の自由を最大限に尊重するという立場から、各部署、社員の個人の意見表明に関して言論統制のようなことは従来より一切行っておりません」とコメントした。
最新の10月号では、8月号の…