熊本県天草市御所浦町の前島で2012年3月に発見された魚の化石が、アジアでは初確認となる海生のイクチオデクテス目に分類される魚類で、新属新種のものとわかった。天草市立御所浦白亜紀資料館と、北九州市立自然史・歴史博物館が21日、発表した。
同博物館の籔本美孝・理学博士によると、推定全長は約60センチ。口や歯が小さい点などから新種と判明した。古生物学の国際誌「ヒストリカル・バイオロジー」で7月に報告。学術名は「アマクサイクチス・ゴショウラエンシス」(和名・アマクサゴショウラムカシウオ)と名付けられた。
見つかったのは前島にある御所浦架橋の工事現場で、中生代白亜紀後期サントニアン(約8500万年前)の地層で確認された。
籔本博士は「白亜紀の海の生物の化石でこれだけ大きく、保存状態が良いものが日本で出てきたことに本当に驚いた」と話した。
同資料館は22日から化石を一般公開する。(大矢雅弘)