全国各地の商業高校生が地元メーカーなどと共同開発した食品の完成度を競う「商業高校フードグランプリ2018」(伊藤忠食品主催)が28日、JR東京駅前の商業施設「KITTE(キッテ)」で2日間の日程で始まった。九州・沖縄ブロックなど全国六つのエリアから選ばれた7校が、ご当地ムードあふれる自慢の食品を出展。試食販売をして来場者にアピールしていた。
北海道札幌東商業高校の部活動マーケティング部が出展したのは「やみつきにんにく味噌だれ」。「ラム肉のちゃんちゃん焼きのタレ」作りに取り組む部員たちに地元企業がベースのタレを提供。ラベルの文字は書道部員が手がけ、瓶は高級感ある形状に仕上げるなど見せ方を工夫したという。
部長の2年高橋麻里愛(まりあ)さん(16)は「レシピも配布し、ポップも自前で作りましたが、短時間で良さを伝えるのが難しい。試食販売の機会は勉強になります」。
三重県立水産高校が手がける「カツオのハム」を試食したさいたま市の60代女性は「生徒みんながカツオをさばけるんだって。高校生がこんな商品を作るなんてすごい。どれも甲乙つけがたいね」と感心していた。
イベントは2013年度に商業科で「商品開発」の授業が新設されたのを機に始まった。実践教育の場を提供し、商品の「全国デビュー」のきっかけとしてもらうのが狙いだ。六回目の今回は、初の単独イベントとして東京で開いた。29日には試食販売のほか、各校のプレゼンテーション、審査などもある。7校の商品は伊藤忠食品が大手スーパーなどに販売を提案し、「大賞」受賞校には特別授業をするという。(鳴澤大)