サイバーエージェントは1日、J2のFC町田ゼルビアの経営権を取得すると発表した。ゼルビア株の8割を約11億円で取得する。同社としては初めての本格的なスポーツ事業への参入。資金力をいかして町田のJ1昇格をテコ入れすると同時に、知名度アップや事業の多角化をねらう。
サイバーエージェントは著名人が多くブログを開設している「アメーバブログ」、インターネットテレビ局「Abema(アベマ)TV」、ネット広告事業などを展開している。2016年4月に開局したアベマTVでは、スポーツ番組も手がけており、Jリーグ参入でコンテンツの充実もねらう。
同社の藤田晋社長は会見で、「インターネットメディアやコンテンツを活用して、町田のビッグクラブへの成長をサポートしていきたい」と話した。
同社は06年にJ2の東京ヴェルディに出資したものの、2年で撤退。藤田社長は「ヴェルディでは筆頭株主でなく、思うような経営ができなかった。最近のJリーグには海外の有名選手が来るなど、市場が拡大するフェーズにあると思う」と再挑戦にかける意気込みを話した。
町田は現在J2で3位で、初優勝をねらう。だが、ホームスタジアムの入場可能数やクラブハウスの整備などの要件で判定されるJ1への参加資格「J1ライセンス」を取得できておらず、今季に優勝したとしても来季は昇格できない。今後はサイバーエージェントの資金力で施設整備を行い、早期のJ1ライセンス取得を目指す。(栗林史子)