ノーベル医学生理学賞に決まった京都大特別教授の本庶佑さん(76)が高校まで過ごした山口県宇部市では、受賞決定から一夜明けた2日午後、市庁舎にお祝いの横断幕が掲げられた。業者から届いたばかりの横断幕の上に、本庶さんが卒業した市内の学校名を書いた手作りの幕が並んだ。
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宇部市では受賞決定のニュースを受けて1日夜、業者に「祝 ノーベル生理学・医学賞受賞 本庶佑氏 UBE」の横断幕を発注したが、2日朝になって「京都市出身の本庶さんと、宇部市との関わりが分かりにくい」との声が市役所内で上がった。いったん掲示を見送り、文言を変えた幕を再発注することになった。
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その後、一刻も早くお祝いの姿勢を示そうと、市職員が急きょ、市立神原小、神原中、県立宇部高の名前を書いた幕を手作り。午前中に業者から届いていた横断幕と並べて掲げた。
宇部市では庁舎の老朽化が進み、懸垂幕を取り付ける器具は20年以上前に取り外した。以来、横断幕は投票を呼びかける選挙の時だけ掲げてきた。2日に記者会見した久保田后子市長は、「市にとって、大変光栄で喜ばしいニュース。子どもたちの励みになると確信している」。市民栄誉賞の創設を検討するという。(二宮俊彦)