台風24号の影響で西部を中心に大規模停電に見舞われた静岡県内。2日になって各地で復旧が進んだが、まだ一部で水の供給や食品流通などが滞っている。全体の復旧は4日ごろまでかかる見通しだ。
中部電力によると、県内では2日午後5時現在、約14万戸が停電している。停止した配電線807回線のうち600回線のチェックが正午までに終了。半数以上に飛来物が張り付いたり、倒木が接触したりしていることがわかり、復旧作業を進めている。
磐田市は2日、停電で断水した千手堂(せんずどう)上簡易水道組合の住民に、南部中学校の受水槽の水を配給した。磐田市には簡易水道組合が9地区にあるが、停電で井戸水をポンプアップできず、4地区で断水。3地区は復旧したものの、約160世帯が利用する千手堂は2日も復旧しなかったという。
南部中には朝からプラスチックのタンクやバケツを携えた住民が次々と訪れ、水を満杯にして車で持ち帰った。会社員の男性(58)は「トイレは風呂の残り湯を使い、飲料水は事前に買っておいた物を飲んでいるが、顔や食器を洗う水に困っていた」とほっとした様子で話した。
市は簡易水道地区だけでなく、停電で各部屋に水を送り出せないマンションやアパートの住民らのためにも1日から見付配水場で水を配給している。2日も小さな子ども2人を連れた母親が訪れ、「大災害の被災地の方の気持ちが少しわかりました」と話した。
公共施設への影響も一部で残っている。浜松市では1日、協働センターや市民サービスセンターなど22カ所の出先機関が停電し、各種証明書の交付や住民異動の手続きができなかった。2日も6カ所で窓口業務ができず、市は区役所などの利用を呼びかけている。また、小学校11校、中学校6校が引き続き休校した。
同市南区の中央卸売市場の停電…