昨年9月のカヌー・スプリントの日本選手権(石川県小松市)でトップ選手がライバル選手の飲み物に禁止薬物を混ぜた事件で、被害者の小松正治選手(26)と加害者の鈴木康大選手(32)=偽計業務妨害容疑で書類送検=の示談が9月29日付で成立した。小松選手によると、同日に鈴木選手から直接謝罪を受けたという。
カヌー薬物混入、鈴木選手を書類送検 偽計業務妨害容疑
小松選手が今月3日、福井県で開催中の国体に出場後、取材に応じ、「ずっと一緒にやってきた先輩。『ヤスさん(鈴木選手)の分までがんばります』と伝えた」と話した。小松選手の代理人弁護士によると、鈴木選手が慰謝料などを支払うことで合意。示談書には「処罰感情はなく、刑事処分を求めない」などの内容を盛り込んだという。
石川県警は7月、飲み物に禁止薬物を混入したり、器具を隠したりするなどして競技活動を妨害したとして、鈴木選手を偽計業務妨害容疑で金沢地検に書類送検した。県警は起訴を求める「厳重処分」の意見書を付けていた。