宮崎市青島のビーチで5日朝、体長約5メートルのクジラが漂着しているのが発見された。地元の人たちや観光客の必死の救出活動によって、クジラは無事に海へ帰された。
宮崎の海岸に体長5mのクジラ漂着 懸命の救出続く
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市などによると、同日午前7時半ごろ、近くを通りかかった人からクジラが漂着していると通報があった。駆けつけた行政職員のほか、地元のサーファーや近くのホテルの利用客など約40人が海水につかりながら作業。重機を使ってクジラの向きを変え、ビニールシートに載せると、少しずつ沖へと引っ張った。
女性や子どもたちもクジラの体が乾いて体温が上がってしまわないように、バケツで海水をかけてクジラを元気づけた。発見から約6時間後の午後1時半、無事に海へと帰っていった。
ビーチに駆けつけ救出活動の指揮をとった西田伸・宮崎大学准教授(保全生物学)によると、漂着したのはヒゲクジラの子どもとみられる。生きたヒゲクジラが漂着するのはとても珍しいという。「台風が原因かは分からない。個体が体調を崩したことで沿岸に近づいてしまった可能性がある。再び打ち上げられてしまう事態も考えられるだろう」と話した。(大山稜)