最高裁は5日、東京都千代田区隼町の庁舎内にある大法廷で、環境省が対策を求める目安を超えたアスベストが検出された、と発表した。6日に「法の日」週間の行事として約200人の市民が大法廷を見学する予定だったが、中止する。担当者は「健康被害の可能性を考慮した」と説明している。
最高裁によると、大法廷が入る庁舎は、1974年に完成した。今年4月から大法廷の耐震改修工事を実施しており、空気中のアスベストの濃度の観測を続けていたところ、今月に入って飛散防止対策が求められる目安を超えた量が検出されたという。改めて正式な数値を測定し、ほかの小法廷への影響なども調べる。
大法廷は年に数回、裁判官15人による裁判が行われるほか、最高裁の見学コースなどにも入っている。調査の結果次第では、裁判期日などに影響する可能性がある。(岡本玄)