仮面姿の異形の神が駆け回り、人々に泥を塗りつけて厄を払う奇祭「パーントゥ」が8日、沖縄・宮古島(沖縄県宮古島市)の島尻地区で始まった。ありがたい神だが、塗られる泥は何とも言えない臭い。大人も子どもも追いかけられ、悲鳴を上げて逃げ回った。9日まで。
パーントゥとは鬼神の意味。海のかなたからやって来て、福をもたらすとされる。地区の青年3人がつる草を体に巻き付け、古井戸の底にたまった泥を浴びて、仮面の神に扮した。顔中に泥を塗られた人たちは「臭いがしばらくとれない」と笑顔で話した。
パーントゥは、宮古島市・野原地区でも毎年行われている国重要無形民俗文化財。ともに今秋、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産に「来訪神(らいほうしん) 仮面・仮装の神々」(8県の計10件)の一つとして登録をめざす。(上原佳久)