指定暴力団山口組の2次団体幹部らが関与したとされる特殊詐欺事件で、警視庁は9日、京都、和歌山、高知各府県警と合同で山口組総本部(神戸市灘区)を電子計算機使用詐欺の疑いで家宅捜索した。警視庁が同日、発表した。詐取金が山口組に上納された疑いが強いとみて、総本部の強制捜査に踏み切った。
特殊詐欺事件では主導的立場とされる有力暴力団幹部の立件に至る例は少なく、警察が山口組総本部を捜索するのは異例だ。
捜索容疑は今年2月、銀行員らを装って東京都内の70代男性宅に「医療費の還付金を受け取れる」とうその電話をかけ、約150万円を詐取するなどしたというもの。
この事件で警視庁などは3日、山口組の2次団体「中島組」(大阪市淀川区)幹部の藤井幸治容疑者(56)や組員ら7人を逮捕。9日には共犯の疑いで住所、職業不詳の伊藤裕弥容疑者(29)を公開手配した。藤井容疑者らが昨年10月~今年5月、少なくとも85件に関与し計約1億円を詐取したとみている。中島組トップは山口組に約50人いる「直参(じきさん)」と呼ばれる幹部の一人。
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