神奈川県大和市でボランティアの住民が無償で走らせてきた「のりあい」自動車が今月、節目を迎えた。高齢化が進むベッドタウンで、人々の外出を支え、交流を育んで8年半。スタッフの高齢化を見据え、1日から運転をバス会社に委託したが、ボランティアの添乗員がサポートする独特の運営は続けていく。
「のりあい」は、小田急線鶴間駅から1・5キロ離れた地区(約2400世帯)の住民が運行してきた10人乗りのワゴン車だ。平日に18便。住宅街から駅や病院、商業施設など23停留所を巡り、利用者は年間1万6千人にまで増えた。
運行開始は2010年度。地区の高齢化率が3割前後となり、駅まで歩くのが厳しくなった人が増える一方、路線バスの撤退が続いた。「悲痛な状況に、自分たちで何とかしようと、みな真剣でした」と滝沢誠代表(75)。
運転は仕事を退職したシニア世…