米マイクロソフトの共同創業者、ポール・アレン氏が15日、悪性リンパ腫で死去した。65歳だった。20代前半だった1975年、ビル・ゲイツ氏と共にマイクロソフトを創業し、世界的な企業に成長する同社の礎を築いた。太平洋戦争時の沈没船の調査を率いていることでも知られていた。
アレン氏の関連会社が15日、発表した。今月1日、別の悪性リンパ種が再発したとして、「病気と闘う」という声明を自ら出し、いったん治療に専念する意向を示したばかりだった。
アレン氏は、シアトルの中高一貫校で3学年下のビル・ゲイツ氏と知り合った。コンピューターの未来を見越して75年、ゲイツ氏と共に、マイクロソフトを創業した。83年、悪性リンパ種のために同社を離れたが、その後もテクノロジーの未来を語る著名な存在だった。
近年は、太平洋戦争中の沈没船の調査を率いて、日本でも広く知られていた。調査団は昨年12月、フィリピンで記者会見し、太平洋戦争中に撃沈された戦艦山城(やましろ)、扶桑(ふそう)など、旧日本軍の艦船とみられる5隻をスリガオ沖の海底で発見したと発表。2015年3月には、戦艦武蔵(むさし)をフィリピン中部シブヤン海の海底で見つけたと、自身のツイッターで明かしていた。
「父が欧州戦線に従軍し、私も戦史好き。史上最大の海戦という歴史を保存したい」
戦時中の海域を調査する理由について、そう語っていた。
今月発表された米フォーブス誌の米長者番付では21位(資産203億ドル=約2兆3千億円)。米NFLのシアトル・シーホークスや、米NBAのポートランド・トレイルブレイザーズのオーナーも務めていた。(サンフランシスコ=尾形聡彦)