トルコ・イスタンブールのサウジアラビア総領事館でサウジ人記者が殺害された疑惑について、トルコ捜査当局の捜査が進むなか、オタイビ・サウジ総領事は16日、イスタンブール発リヤド行きの飛行機でトルコを出国した。アナトリア通信が報じた。トルコ捜査当局は15日、サウジ政府の同意を得て総領事館を捜査し、総領事公邸も近く捜査する見通しという。
サウジ不明記者は「尋問中に手違いで死亡」 CNN報道
サウジ批判のジャーナリストが行方不明 訪問先トルコで
サウジ国籍の著名ジャーナリスト、ジャマル・カショギ氏は2日昼過ぎに総領事館に入った後、消息が途絶えた。トルコメディアや米CNNなどによると、トルコ捜査当局は、カショギ氏は総領事館内で殺害され、遺体は切断されて館外に運び出された疑いが強いとみている。
トルコメディアによると、カショギ氏が総領事館内に入った数時間後、複数の車両が総領事館から約200メートル離れた総領事公邸に向かったことが確認されたという。
トルコのチャブシュオール外相は16日、殺害疑惑に関連して、総領事館のサウジ外交官らを聴取する可能性について言及した。サウジ政府が同意すれば、トルコの捜査当局は総領事を含むサウジ外交官らを聴取できるとみられる。
カショギ氏をめぐっては、米CNNなどが15日、総領事館内で「尋問中に手違いで死亡させた」とする報告書を準備していると報じた。(イスタンブール=其山史晃)