難航している英国の欧州連合(EU)からの離脱交渉で、EU首脳会議のトゥスク常任議長(大統領に相当)は16日、17日に開かれるEU首脳会議で、英側に「難局を打破するための具体策」を提案するよう求める意向を示した。EU側は「交渉の決定的な進展」を英国の離脱条件などをめぐる合意の条件にしている。英側は譲歩するかどうか、厳しい判断を迫られることになる。
EU離脱合意、年末まで先送り観測 英国内まとめきれず
トゥスク氏は16日、「交渉を大きく進めるためには、(EU、英国)両者の前向きな姿勢に加え、新しい事実が必要。明日、メイ首相に難局を打破するための具体策があるか聞くつもりだ」と述べた。これまでの英との交渉については「楽観を与えるものではない」と厳しい評価を示した。
英国は来年3月にEUから離脱することが決まっているが、最大の障害となっている英領北アイルランドとEU加盟国アイルランドの国境問題などを巡って協議が行き詰まっており、何の合意もないまま、離脱する可能性が高まっている。
北アイルランドでは、英国統治…