ホタルのゲノム(遺伝情報)を解読した結果、光る能力をどう手に入れたのかが分かった、と基礎生物学研究所(愛知県岡崎市)の重信秀治特任准教授(ゲノム生物学)や中部大の大場裕一准教授(発光生物学)らの研究グループが発表した。ホタルの発光の仕組みを応用した技術は、医療やバイオの世界で活用されており、ゲノム情報は技術改良に役立つという。
研究結果はオンライン科学誌「イーライフ」に16日、掲載された。
ホタルの体は、体内の「ルシフェリン」と呼ばれる物質と「ルシフェラーゼ」という酵素が反応して光る。研究グループの解析の結果、ルシフェラーゼ遺伝子は脂肪酸の代謝に関わる酵素の遺伝子が起源とわかった。この遺伝子は光らない生物にも存在し、長い時間をかけて何度もコピーされる中で重複し、その一つがルシフェラーゼに進化した。
さらに、ルシフェラーゼがもう一度、遺伝子重複を起こすと2パターンに分かれ、卵やさなぎが光るタイプと、成虫で光るタイプに進化した。これらの進化は1億年以上前に起こったという。
研究グループは「ヘイケボタル…