8月12~15日に徳島市で開かれた阿波踊りの収支が、約2930万円の赤字の見通しとなった。赤字体質からの脱却を目指して市が主催する新体制で臨んだが、伝統の「総踊り」を中止させるなど強引な運営に踊り手の団体が反発。祭りのイメージが悪化し、観光客離れを招いた。
市や徳島新聞社などでつくる実行委員会が24日の会合で報告した。決算見込みによると、収入は約2億3980万円(前年比11・0%減)。チケット販売が前年比17・1%減の約1億6400万円と落ち込んだ。支出は約2億6910万円(同7・0%増)だった。運営を巡る収支は約1860万円の赤字。昨年までの主催者だった市観光協会(破産手続き中)所有の機材購入で約1070万円の臨時支出があり、合わせると約2930万円の赤字となった。
実行委員長を務める遠藤彰良(あきよし)市長は「大変残念な数字」と話した。委員からは「全体的なイメージダウンの中、仕方がなかった」などの意見が出た。赤字は、徳島新聞社が3億円を寄付して作った基金での穴埋めを協議するという。
一方、実行委は来年以降の運営…