「買い物弱者」のニーズに対応しようと、コンビニエンスストアのセブン―イレブン・ジャパンは、都内で初めての移動販売「セブンあんしんお届け便」を練馬区で始めた。初日となった25日には、地元の高齢者らが販売車を訪れ、商品を買い物かごに移していた。
場所は、都営大江戸線の光が丘駅から約700メートル離れた「光が丘パークタウン大通り南団地」。駅の周辺にはスーパーがあるが、区内のセブン―イレブンのオーナーで移動販売車を運営する村田聡さんは「『団地の階段が下りられない』『大通りを渡るのが疲れる』といった声を客から聞いていた」と説明する。
販売する商品は、おにぎりや弁当、サンドイッチのほか、総菜、飲料、菓子、アイスクリーム、冷凍食品など約150種類。毎週火・金曜日の午前と午後に1時間ほど営業する。電子マネーnanaco(ナナコ)でも決済できる。買い物をした近くの宇敷美津子さん(92)は「今まで買い物はヘルパーさんがついてくれたが、ここなら近いから1人で来られる」と話した。
セブンと練馬区は5月に「高齢者見守りネットワーク事業協定」を結び、今回の取り組みで、さらに高齢者支援を拡充する考えだ。
セブンあんしんお届け便は2011年5月に茨城県で始まり、今回を含め1道1都2府30県で77台が稼働中。移動販売は他のコンビニ大手も展開しており、ローソンは1都1道2府35県で112台、ファミリーマートは1都8県で18台の車が動いているという。(末崎毅)