全国の少年鑑別所の食事の経費について会計検査院が調べたところ、共同調理方式から弁当の宅配方式に変更していれば、2016~17年度の2年間で約2500万円のコストダウンとなった可能性があることが判明した。関係者への取材でわかった。
少年鑑別所の入所者数は03年の約2万3千人から14年連続で減少し、17年は約7100人。検査院は、全国52カ所の少年鑑別所のうち共同調理方式を採用している10カ所を抽出して調査。数人の入所者の食事を、約10キロ離れた刑務所で調理して毎食運ぶケースがあった。運搬費や人件費がかかり、民間の弁当を宅配する方式にすればほとんどの施設で割安になることがわかったという。
検査院は、味や栄養など食事の質を保った上で、近くに宅配業者がないなどの場合をのぞいては宅配への移行を検討するよう法務省に指摘。今年3月末現在、宅配弁当を採用している鑑別所は25カ所だったが、その後31カ所に増えたという。法務省は「(検査院の)調査、質問を受けた事実はあるが、本年度の決算検査報告での指摘の内容については承知していない」としている。
少年鑑別所は、事件を起こしたとされる少年が、家庭裁判所の観護措置決定を受けて収容される施設。少年審判に向け、非行に至った事情やその改善策などについて面接などで調査する。(高橋淳、田内康介)