小学館は26日、隔月刊の雑誌「SAPIO」を不定期刊行に変更すると発表した。定期刊行としては来年1月4日発売予定の「1・2月号」が最後となる。小林よしのりさんの漫画「ゴーマニズム宣言」など、連載作の扱いは検討中だという。
同誌は1989年に国際情報誌をうたい創刊。保守的な論調で知られている。当初は月2回刊行していたが、2012年10月から月刊になり、さらに17年9月からは隔月刊と刊行形態が変わってきていた。
日本雑誌協会によると、今年4~6月の発行部数は8万5千部。近年は部数減少傾向が続いていた。
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小林よしのりさんは26日、朝日新聞の取材に対し「(SAPIOのゴーマニズム宣言「大東亜論」は)未完のまま終わるしかない」と明かした。
SAPIOが不定期刊行に変わることについては、「極右路線の雑誌が出る中で『SAPIO』の立ち位置が中途半端になってしまった。迎合することなく踏ん張っていたが、雑誌の読者が高齢化していく中で厳しかったのだろう」と話した。
ゴーマニズム宣言は、社会問題や思想を扱ったヒット漫画。薬害エイズ問題や、歴史教科書を巡る論争などを取り上げてきた。92年から「週刊SPA!」(扶桑社)で連載が始まり、95年からはSAPIOに掲載されている。現在は、「大東亜論」と題して幕末から昭和にかけての人物物語を描く。
今年になって、週刊SPA!でも、改めてゴーマニズム宣言の連載が復活していた。