ムンク展が上野の東京都美術館で27日に開幕するのに先立ち、展覧会のスペシャルサポーターを務める黒柳徹子さんが26日、会場を訪れ、代表作「叫び」のポーズを取った写真を披露した。黒柳さんは「まあ、いやだ。ムンクほど深くはないけど、似ている」と笑った。
小峠英二さん「叫び」なりきる 撮影2時間、自慢の出来
「ムンク展――共鳴する魂の叫び」(朝日新聞社など主催)には、オスロ市立ムンク美術館所蔵作品から約100点が来日。なかでも「叫び」(厚紙にテンペラ・油彩)が初来日したことが話題になっている。
本物の「叫び」と対面した黒柳さんは「幼いときに本で見て怖い思いをしたけれど、いま近くで見られてラッキーです。一曲で60年歌う人はいるけど、ムンクはこの作品でずっと長く世界中の人の心を打ったのね」と感心していた。
さらに「一見、簡単に描いているようですが、わずかな線だけでこれだけ深い絶望を表現するんですから、素晴らしい画家だったんですね」と語った。
ところで、「叫び」の主人公は何をしているのか。「叫び」について、ムンクはその原体験をこう書いている。
「夕暮れに道を歩いていた――
一方には町とフィヨルドが横たわっている
私は疲れていて気分が悪かった――
立ちすくみフィヨルドを眺める――
太陽が沈んでいく――雲が赤くなった――血のように
私は自然をつらぬく叫びのようなものを感じた――
叫びを聞いたと思った
私はこの絵を描いた――雲を本当の血のように描いた――
色彩が叫んでいた
この絵が〈生命のフリーズ〉の《叫び》となった」
定説では、主人公は何かを聞いて、耳をふさいでいる。主人公自身が叫んでいるのではない。
展覧会会場には、「叫び」の背景を大きなパネルにして、主人公と撮影できるフォトスポットが用意されている。
ほかにも、広尾のノルウェー大使館、六本木のテレビ朝日、渋谷の西武百貨店(11月5日まで)、築地の朝日新聞社、上野のアトレ(10月27日から)とマルイ(11月上旬から)の都内6カ所に「叫び」ウォールを設置。こちらは背景だけのポスターを前に、主人公になりきることができる。世界的な名画を自ら体験してみてはいかがだろうか。
◇
「ムンク展――共鳴する魂の叫び」は10月27日[土]~2019年1月20日[日]、上野の東京都美術館企画展示室。午前9時30分~午後5時30分(金曜と11月1日[木]、3日[土][祝]は午後8時まで)。月曜と12月25日[火]、1月1日[火][祝]、15日[火]休室(11月26日、12月10日、24日、1月14日は開室)。
一般1600円など。問い合わせは、ハローダイヤル(03・5777・8600)。詳しくは、展覧会公式サイト(
https://munch2018.jp
)。