28日に投開票された岩手県雫石町議補選で、投票総数の3割が無効票という珍事が起きた。1議席をめぐって2人が争ったが、無効票が落選者の得票数を上回る事態に。同町の選挙管理委員会は「こんな数字は初めて」と驚いている。
投票総数は9325。3710票を獲得した農業の男性(62)が初当選し、自営業の男性(57)が2476票で落選した。
しかし町選管によると、開票台には、白紙や「なし」「×」といった記述の票がいくつも。数え上げると、3138票(33・65%)にのぼった。当選した男性は「希望しない」と、選挙公報に名前も出していなかった。
同じ日程で行われた町長選の無効票は1・51%にとどまった。町内の男性は「町議補選の候補者にやる気が感じられなかった」と話した。
補選の票の合計数が投票総数と合わないのは、町選管によると票の持ち帰りによるものという。(成田認、大西英正)